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ガーナ支援第一期を終えて
私たちが得たもの(後編)
実感に変わった「川上の笑顔」、次なる一歩はアグロフォレストリー
実感に変わった「川上の笑顔」、
次なる一歩はアグロフォレストリー

樹齢約15年のカカオの木が並ぶ、手入れされたカカオ農園
日新化工は2022年4月から、サステナビリティに配慮した食品事業を手掛けるimperfectが推進する「Do well by doing good.」に参画し、ガーナ共和国のカカオ農家への産地支援を続けてきました。後編では、もうひとつの支援であるシェードツリーの植樹と、第一期目で感じた手ごたえ、そして第二期目の展望をお届けします。
目 次
- シェードツリーと営農指導が、カカオの寿命をのばす
- 「川上の笑顔」が、確かな実感に変わった
- 第二期は、カカオと森が共生するアグロフォレストリー
シェードツリーと営農指導が、カカオの寿命をのばす
シェードツリーと営農指導が、
カカオの寿命をのばす
私たちが取り組んだ二つ目の支援は、シェードツリー(日陰樹)の植樹です。
カカオの木は直射日光にさらされ続けると、寿命が25〜30年ほどにとどまります。一方、シェードツリーを適切に配置すれば、50〜80年にわたって収穫を続けられる可能性があります。そのため、成長の早い常緑樹を1〜2万本提供・植樹し、カカオの森と生態系の保全に取り組みました。
私たちが視察したモデル農園のご主人は、20年近いカカオ栽培のキャリアを持つベテランで、17名のスタッフを雇用しています 。ガーナ平均(約1ヘクタール)の6倍近い農地を管理しています。落ち葉を地表に積み上げて肥料に活かす丁寧な土づくり、日陰樹による日照管理、風通しの確保。それらの積み重ねが、ブラックポッド(カビ)などの病害を抑え、結実性を高めていました。
そして、こうした農家一人ひとりの実践を支えているのが、営農指導者の存在です。剪定や環境整備の方法、土づくりの考え方を、現場で丁寧に伝えていく役割を担っています。この営農指導者の派遣も、当社のサステナブルチョコレート(ムダなくいただくチョコレート・サステナブルチョコレート ダークカカオ70%など)の売上から拠出された支援金の一部によって賄われています。
日本の消費者がチョコレートを選び、シェフが菓子をつくり、その対価の一部がガーナの農家のもとへ届き、技術となって根を下ろしていく。普段は見えにくいこの循環が、産地全体の底力をゆっくりと育てています。

赤色のシャツを着た方が営農指導者、オレンジのシャツの方が農園主

日陰に守られたカカオポッド

カカオの花と結実の様子
「川上の笑顔」が、確かな実感に変わった
「川上の笑顔」が、
確かな実感に変わった
日新化工の提供価値である「Chocolate makes you smile.」。今回の訪問で現地の方々と語り合い、その笑顔に直接触れたことで、「川上の笑顔」という言葉は、私たちの中で抽象的なイメージから実感へと変わりました 。
一方で、現場のリアリティは甘くはありません。現地の方々からは「作業用の車が欲しい」「街灯が欲しい」といった、目の前の切実なニーズも直接投げかけられました 。だからこそ、一時的な施しではなく、カカオ農家が継続的に収穫量を増やし、経済的にも自立できる「実質的な生活基盤の向上」に繋がる支援策を、粘り強く進めていかなければならないと強く考えさせられました 。

第二期は、カカオと森が共生するアグロフォレストリー
第二期は、カカオと森が共生する
アグロフォレストリー
2025年4月より開始した第二期支援では、アグロフォレストリーの普及に取り組みます。カカオの木とともに、成長の早い樹木やバナナなど複数の作物を組み合わせて栽培する農業手法です。カカオの収穫まで4〜5年を要する期間にも、ほかの作物から収入を得られます。森林の生態系を守りながら、農家の収入安定にも寄与する仕組みです。
視察したアグロフォレストリー試験農園では、シェードツリー、果実をつけるバナナ、堆肥となる落葉樹といった、ライフサイクルの異なる樹種が組み合わされ、まるで小さな森のような景観をつくっていました。古くなって生産性が落ちた農園の再生プログラムとして、その成果は今後数年で見えてくるはずです。
カカオ1本あたりの収量とのバランスをどう取るかなど、課題も含めて、現場と対話しながら最適解を探っていきたいと考えています。森を取り戻し、土を整え、人の暮らしを支える。第二期の3年間では、私たちはもう一歩、産地に踏み込んでいきます。カカオの一粒が、誰かの笑顔につながるまで。その道筋を、これからも丁寧にたどっていきます。

アグロフォレストリーの試験農園。さまざまな樹木や作物が植えられ、森林さながらの様相

日陰樹の根本あたりに植樹されたカカオの木







