May 14, 2026
 

ガーナ支援第一期を終えて
私たちが得たもの(前編)

実感に変わった「川上の笑顔」、次なる一歩はアグロフォレストリー

実感に変わった「川上の笑顔」、
次なる一歩はアグロフォレストリー

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支援したガーナ共和国のカカオ農家と

新化工は2022年4月から、サステナビリティに配慮した食品事業を手掛けるimperfectが推進する「Do well by doing good.」に参画し、ガーナ共和国のカカオ農家への産地支援を続けてきました。現地視察を経て見えてきた支援の手応えと、次の3年に向けた展望をお伝えします。

目 次

  • Chocolate makes you smile.の目指す笑顔
  • ガーナのカカオ産地が抱える、いくつもの課題
  • キャッサバ加工所がもたらした「自立」のサイクル

Chocolate makes you smile.の目指す笑顔

Chocolate makes you smile.の
目指す笑顔

日新化工は「Chocolate makes you smile.」を提供価値として掲げ、製菓・製パンのプロフェッショナルに向けたチョコレート原料の製造・販売を続けてきました。チョコレートを通じて、お菓子やパンの作り手から消費者へ届くまでの笑顔を、大切に考えてきました。

そして、その笑顔の出発点には、必ずカカオ産地の人々がいます。生産者から消費者までつながった笑顔の輪こそが、私たちの目指す姿です。

しかしその一方で、産地の人々の笑顔はこれまで、どこか抽象的なイメージにとどまっていた部分もありました。当社の「サステナブルチョコレートシリーズ」を通じて売上の一部を支援プログラムに還元してきたものの、その先で何が起こっているのかを、自分の目で確かめる機会はなかなか持てずにいました。

今回、第一期支援の完了にあたって現地を訪れ、その実像に触れる機会を得ました。

ガーナのカカオ産地が抱える、いくつもの現実

ガーナのカカオ産地が抱える、
いくつもの現実

世界有数のカカオ生産国であるガーナでは、持続可能な生産に向けて向き合うべき課題がいくつもあります。農地の拡大や木材需要に伴う森林の減少、「ガラムセイ」と呼ばれる金の違法採掘による土地への影響。視察中、車窓からは森林伐採の跡や、ガラムセイの跡地がカカオ農園のすぐ隣に広がる光景も目に入りました。

さらに、子どもたちの教育機会の確保や児童労働の防止、女性の自立・社会進出の支援といった、生活基盤と人権を支える領域でも、これからさらに重要性を増していくテーマがあります。

一方で、現地で出会った人々は、想像していた以上に明るく、活気にあふれていました。コミュニティの結びつきは強く、一人ひとりが自分の役割を持って日々の暮らしを営んでいる――その姿が、この土地の本来の豊かさを感じさせてくれました。

だからこそ、産地と向き合う支援は、すでにそこにある暮らしの力を、もう一歩前に進めるためのものでありたいと考えています。第一期支援では、こうした視点に立ち、MCアグリアライアンス株式会社(三菱商事グループの一員として、産地の営農指導や子どもの就学支援を含む持続可能な原料調達に取り組む商社)を通じて、二つの具体的なプログラムを実行してきました。

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お土産としてお贈りした「Chocolate makes you smaile.」と「チョコレートを通じて、たくさんの笑顔を。」のプリントシャツ。日本語版のほうが好評だった ! ?

キャッサバ加工所がもたらした「自立」のサイクル

キャッサバ加工所がもたらした
「自立」のサイクル

一つ目は、キャッサバ加工所の建設支援です。
ダンクワの中心部から舗装されていない悪路を車で90分。たどり着いた村は、中央を土の道が走り、木骨土壁にトタン屋根の家屋が並ぶ、典型的なガーナの農村風景でした。その中で、鮮やかな紫色の外壁の建物がひときわ目を引きます。支援によって建設された、キャッサバ加工所です。

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ここでは、カカオ農家の女性たちが中心となり、主食であるキャッサバを伝統食品「ガリ」へと加工しています。皮むき、粉砕、2〜3日の発酵、圧搾、篩い、そして大きな鉄板の上での焼成。一連の工程を経て、保存性と付加価値を備えた粒状の食品が生まれます。

この支援で大切にしたのは、バイクや農機具といった目先の物資を渡すことではなく、コミュニティが自立して永続できる仕組みを残すことでした。加工で得た副収入で、必要な資材を自分たちの判断で調達できるようになる。その「自立のサイクル」こそが、支援の本来の目的だと考えています。

訪問時、コミュニティから寄せられた声には、その手応えがにじんでいました。

ー キャッサバ加工で得た収入で、村に井戸を掘ることができた。学校の屋根も修繕できた
ー 加工所はコミュニティの集会場としても使っている。冠婚葬祭もここで行うようになった
ー 今では近隣の5つのコミュニティが、この加工所を共同で利用している

かつてはカカオ農園での補助的な役割が中心だった女性たちが、自ら主体となって収入を生み出す姿は、村全体に新たな活力をもたらしているように見えました。経済的な自立につながる生活基盤の底上げを、これからも軸に据えていきたいとあらためて感じました。

ガリの製造の様子

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上)ホテルレストランでのガーナ料理、魚の付け合わせの白い袋がガリとコーンを温水で練り発酵させたバンクーという食事
左)現地の富裕層のスーパーマーケットで販売していたガリ。1kgで25.99ガーナゼディ、日本円にして約260円

上)現地の富裕層のスーパーマーケットで販売していたガリ。1kgで25.99ガーナゼディ、日本円にして約260円
下)ホテルレストランでのガーナ料理、魚の付け合わせの白い袋がガリとコーンを温水で練り発酵させたバンクーという食事

後 編 に続く≫