Tags
みんなの分だから、頑張らないと——
混ぜるだけで入所者も作れた「弾むショコラ」
導入事例|特養を中心とする総合福祉施設「KOBE須磨きらくえん」
青梅慶友病院、
”みんなで同じデザート”のバレンタイン

バレンタインの日に、入院患者全員にふるまわれた約300食のデザート。残食はほとんどなかった
調理の簡便さと本格的な味わいで、嚥下機能にも配慮したユニバーサルデザインの「弾むショコラ」と「とろけるショコラ」。このユニバーサルなチョコレート素材を使った介護施設や病院での活用事例をご紹介します。
目 次
- 「これはチョコレートだ」と思った、展示会での出会い
- 4人から始まり、フロア20人のレクリエーションへ
- 食べられる方にしか提供できなかった。そのジレンマが解けた
- 「これはチョコレートだ」と思った、
展示会での出会い - 4人から始まり、
フロア20人のレクリエーションへ - 食べられる方にしか提供できなかった。
そのジレンマが解けた
※本記事に掲載している写真は、実際のレクリエーションの様子です。入所者様のお写真につきましては、施設およびご家族様の許可を得て掲載しております。
目 次
- Chocolate makes you smile.の目指す笑顔
- ガーナのカカオ産地が抱える、いくつもの課題
- キャッサバ加工所がもたらした「自立」のサイクル
「これはチョコレートだ」と思った、展示会での出会い
「これはチョコレートだ」と思った、
展示会での出会い
「弾むショコラ」で実現した
”みんなで同じデザート”のバレンタイン
神戸市の特養を中心とする総合福祉施設・KOBE須磨きらくえんでは、「弾むショコラ」を使ったチョコレート作りが、入所者の皆様自身が"作る側"として参加するレクリエーションになりました。
導入のきっかけから、4人で始まった試みがフロア20人のレクリエーションに広がるまでを、同施設の理学療法士・西川礼未様にお話をおうかがいします。
Q1. 導入のきっかけを教えてください。
西川様:「展示会(嚥下食エキスポ)で、隣のブースだった日新化工さんの試食をいただいたのがきっかけです。飲み込みが難しくなった方のおやつには、チョコプリンなどチョコ系のものもあるのですが、食べられる状態に加工すると味が薄くなってしまって。
機能が低下してこられた方でも『これはチョコじゃない』と認識されるんです。それが、弾むショコラを食べたときには、すごいチョコの香りがして。『これは』と思い、園に持ち帰って皆さんに食べてもらおう、というのが始まりでした」
Q2. 実際に作ってみて、いかがでしたか?
西川様:「最初に出た声は『お湯でいいの?』でした。牛乳だと注文したり買いに行ったりが必要ですが、お湯ならいつでも作れます。分量もシンプルで、すぐ溶ける。パッケージに『30秒撹拌』と書いてくださっているので、お菓子作りをしたことがない職員もチャレンジして、みんなができました」

兵庫県神戸市のKOBE須磨きらくえん

兵庫県神戸市のKOBE須磨きらくえん
4人から始まり、フロア20人のレクリエーションへ
4人から始まり、
フロア20人のレクリエーションへ
Q3. 入所者の皆様と一緒に作ることになった経緯を教えてください。
西川様:「特別養護老人ホームには要介護度の高い方が入っていらっしゃるので、ご自分で何かをするのが難しい方も多いのですが、中には『何かしてみたい』という方もいらっしゃいます。そうした方にお声かけして、『一緒に作りませんか』と。最初は4人で作るところから始めて、次は10人でやってみて、最終的には20人のフロア全員で、レクリエーションとして作ってバレンタインにしようという形になりました」
Q4. 作る場面では、どのような様子でしたか?
西川様:「最初は自分の分を自分でデコレーションしたり混ぜたり、という形だったんです。ただ、混ぜる作業に大きな力は要らないと分かったので、『みんなでこれを分けて作るんですよ』とお伝えすると、『私にもできるので、みんなの分だから頑張らないと』と。役割って大事なんだな、と思う機会にもなりました。すごくいい表情をされていました」
キャッサバ加工所がもたらした
「自立」のサイクル


「食べられる方にしか、提供できなかった」。
そのジレンマが解けた
食べられる方にしか提供できなかった。そのジレンマが解けた
Q5. 入所者の皆様の反応はいかがでしたか?
西川様:「味はとても好評でした。一人の方は、涙を流されたんです。ちょうど面会日で娘さんが来られていて、その表情を見た娘さんも目をうるうるさせていた、という話も聞きました。その方は嚥下障害のある方ではないのですが、『こんなに美味しいチョコレートが園で食べられるとは思わなかった』と。園で出るもの、ご家族が買ってこられるものという制限がある中で、新しい美味しさを発見して感動されたのかな、という印象でした。
ミキサー食の方には、フルーツをミキサー状にした上にチョコレートをかけて提供しました。園の管理栄養士に形状を確認してもらったうえで提供し、問題なく召し上がっていただけました。
残食もほとんどなく、皆さん『少なかったんじゃない?』というくらいで(笑)。チョコレートファウンテンにも挑戦して、牛乳の量を調整して粘度を出すと、スティック菓子にもちゃんと絡んでくれるようになりました」
Q6. 現場にとって、一番の価値はどこにあったと感じますか?
西川様:「これまで食べもの系のレクリエーションは、お好み焼きでもデザートでも、食べられる方にしか提供できないというジレンマがありました。ミックスジュースなら全員で、と思っても、とろみをつけると別のものになってしまう。弾むショコラは、食べられる方も食べられない方も、同じものを一緒に作って、一緒に食べられる。職員の中でも『やっとみんなで食べられる』という感動が大きかったんです」
Q7. 今後はどのように活用していきたいですか?
西川様:「MCTオイル*が配合されているので、イベントだけでなく、毎日のティータイムや朝のカフェオレの代わりに取り入れられないかと考えています。今は温めた牛乳に溶かすドリンクとして、職員で試しているところです。デザートとしても、『食べたい』と言われたときにすぐ作って出せるのがありがたいですね」
*中鎖脂肪酸油。消化吸収が速く、エネルギーになりやすい油として、介護食などに活用されている。

「みんなの分だから、頑張らないと」。この言葉は、弾むショコラが目指してきた「美味しさ」の、その先にあるものでした。お湯と混ぜるだけという手軽さが、食べる楽しみだけでなく、誰かのために作るという役割を生む。それを形にしてくださったのは、入所者の皆様一人ひとりに寄り添うきらく園の職員の皆様です。この事例が、同じ課題を持つ施設の方々のヒントになれば幸いです。
「自分たちの施設でもできるだろうか」と感じられた方は、ぜひ一度お試しください。サンプルのご相談も承っています。
ご協力いただいた施設様
KOBE須磨きらくえん
※掲載にご協力いただき、誠にありがとうございました。







