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製菓学生が挑む、アレルギー対応と原価高騰。赤堀製菓専門学校でコラボ授業
卒業制作の2つの課題に、2つのチョコレートとお菓子づくりの工夫でヒントを
青梅慶友病院、
”みんなで同じデザート”のバレンタイン

バレンタインの日に、入院患者全員にふるまわれた約300食のデザート。残食はほとんどなかった
バターも生クリームも牛乳も使えない。原料価格は上がり続けている。それでも、お客様が「食べたい」と思うお菓子をつくる――。
赤堀製菓専門学校の今年の卒業制作には、「アレルギー対応のお菓子」と「原料が高騰する中でも、おいしくて買いやすい価格帯のお菓子」という2つのテーマが設定されています。どちらも、いま製菓の現場が実際に向き合っている課題です。
日新化工は同校からお声がけをいただき、この2つの課題に取り組むためのチョコレートを提供しました。アレルギー対応には「アレルゲンフリーチョコレート」、原価の課題には「ショコラ・ヌメロ・ドゥ」。
そして、この2つのチョコレートを使った試作菓子5品も携え、卒業制作の足がかりとなるよう、チョコレートの特長やお菓子づくりのヒントを約1時間半にわたってレクチャーしました。各テーブルには試作菓子とチョコレートが並び、学生の皆さんには試食をしながら話を聞いていただきました。
卒業課題でご活用いただくチョコレート

アレルゲンフリーチョコレート スイートカカオ 63%
アレルゲンフリーチョコレート
スイートカカオ 63%
乳・大豆を含む特定原材料等28品目を持ち込まない専用工場で製造。原料と製法は通常のチョコレートと変わらず、乳化剤のみを見直しました。香料不使用で、カカオ本来の風味をそのままに。テンパリングも通常どおり可能です。卵も使っていないため、プラントベースのお菓子づくりにも。

ショコラ・ヌメロ・ドゥ
ノワール3959(左)/ノワール3355(右)
カカオ原料の高騰が続く中、コストを抑えながら品質を守る次世代のチョコレート。フランスCACAOTEC社のカカオマスに、ココアバターの口どけを植物油脂で再現した「Essential Butter」をブレンド。華やかな香りの「3959」と、スパイシーさとフルーティーな風味が調和した「3355」の2種類。
目 次
- アレルギー対応のお菓子を、どうおいしくするか
- 限られた原価で、どう満足感をつくるか
目 次
アレルギー対応のお菓子を、どうおいしくするか
アレルギー対応のお菓子を、
どうおいしくするか

菓子の作例解説をする当社の製菓担当者

乳製品や卵等を使わず作った「ショコラオーツ」
普段の授業では、乳製品や卵などを使うのが当たり前。アレルギー対応の課題では、まずそこから考え直す必要があります。
講師を務めた当社開発部の製菓担当者は、製菓学校を卒業後、パティスリーとホテルでパティシエの経験を積んだ、学生の皆さんの先輩にあたる存在です。
アレルゲンフリーチョコレートを使い、課題の条件である乳・大豆に加えて卵も使わないお菓子を3品考案し、試食してもらいました。
考え方の軸として伝えたのは、「何に置き換えるか」ではなく「役割を分解する」ことです。
「バター100gを油100gに置き換えるのではなく、バターの約82%が油脂で、残りが水分と乳固形分だということから考えます。油脂は太白ごま油などで、水分は水やオーツミルクで補って、まず試作してみる。固形のバターと液体の油では性質が違うので、そこから調整を重ねていきます」
試食したチョコレートケーキ「ショコラ・オーツ」も、この考え方でつくったものです。乳製品が担う水分と固形分の働きを、オーツミルク、太白ごま油、チョコレート、アーモンドに分けて持たせ、卵が担う生地の骨格は薄力粉とでんぷん、ベーキングパウダーで補っています。
試食の合間には、学生から質問が寄せられました。「このケーキには、なぜてんさい糖を使っているんですか」「カカオの多いケーキは味の角が立ちやすいので、コクとまろやかさのあるてんさい糖を選びました」と開発担当者。太白ごま油を選んだ理由についても、「風味が穏やかで品質が安定していて、お菓子屋さんでも身近な材料だから」と説明しました。
味わいだけでなく、品質の安定や手に入りやすさまで考えて材料を選ぶ。お店でお菓子をつくり続けるうえで欠かせない視点です。
試食の後、アレルゲンフリーチョコレートについて「アレルギー対応と聞くと、味が違うのではと思われがちです。食べてみて、普通のチョコレートだと思いませんでしたか」と学生に問いかけました。実際に口にした学生の皆さんも、通常のチョコレートと変わらない味わいに、うなずきながら納得した様子でした。

限られた原価で、どう満足感をつくるか
もうひとつの課題は、原価です。
ここ数年、カカオ原料の価格は上がり続け、チョコレートを使ったお菓子づくりは難しくなっています。おいしさを妥協せず、コストメリットもあるように開発されたショコラ・ヌメロ・ドゥの2種類を、学生の皆さんに食べ比べてもらいました。
会場からは「2種類で、テンパリングの扱いに違いはありますか」という質問が。どちらも通常のチョコレートと同じ温度帯で問題なくテンパリングできると答えると、うなずきながらメモを取る姿が見られました。
原価を下げる手段はチョコレートだけではありません。ショコラ・ヌメロ・ドゥを使って当社の製菓担当者が考案した2品には、素材選びの工夫も詰まっています。
たとえば洋梨とアールグレイを合わせたアントルメ「ショコラ・ポワール・アールグレイ」。果物には、フランボワーズより価格の低い洋梨のピューレを使いました。アールグレイは少量でも香りが立つため、使う量を抑えながら華やかさを加えられます。
焼き菓子「ケイク・ショコラ・オランジュ」のオレンジピールも同じ考え方です。ピスタチオのような高価な素材に頼らず、香りや食感の組み合わせで満足感をつくっています。
授業では、試作菓子5品すべての原価と想定売価も紹介しました。
実はこの5品、使用するチョコレートが決まったお盆明けから考案を始め、通常業務の合間に1日2〜3時間ずつ試作を重ねて仕上げたもの。試食したお菓子のおいしさはもちろん、配合の理由や原価まで説明できる完成度に、限られた時間で仕上げてきたことに、会場からは感嘆の声があがりました。
キャッサバ加工所がもたらした
「自立」のサイクル

洋梨とアールグレイを合わせた「ショコラ・ポワール・アールグレイ」

授業の終盤には、チョコレートと準チョコレートの違いなど、チョコレートの基礎知識についてもお話ししました。
締めくくりに、先生から「中間発表と最終プレゼンにも来ていただくので、しっかり考えたものを見せられるように頑張りましょう」と学生の皆さんへ声がかかりました。
制作用のチョコレートは各班に配布し、ここから本格的な制作が始まります。学生の皆さんの答えを、発表の場で拝見するのを楽しみにしています。赤堀製菓専門学校の皆様、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。









